今月観た映画
梅雨ですか?今月劇場で観た映画の感想です。
・猿楽町で会いましょう
未完成映画予告編大賞の第2回グランプリで制作されたラブストーリー。
駆け出しのカメラマンが被写体をやってる女性と恋に落ちるが……という話だが、わりと想像の範疇を出ない話であったし、社会的な面も今まで言われてきたことまでしか描けていないし、出てくるキャラクター達も『劇場』みたいな東京ごっこをするだけだし、微妙な伏線を微妙に回収するし、なんだか昔観た"そういう映画"の集合体みたいな映画だった。出来が悪いわけではないのだが。
『高崎グラフィティ』の時も思ったが、未完成映画祭の映画はやっぱり予告編が面白すぎるが故に本編で微妙に感じてしまう。
パープルフリンジがずっと出てたのも気になってしまい、話に集中できなかった。主人公がカメラマンだし、オールドレンズとか使ってたのかな?あえてなのであったらあまりいい手ではないと思う。
総じて感想が持ちづらく、結果的に「あんまり面白くない」に着地する映画でした。エンディングの春ねむりは良い。
・クルエラ
ディズニー史上最凶と言っても過言ではないヴィラン、クルエラの誕生譚。やっぱりエマ・ストーンはかわいいし、ポール・ウォルター・ハウザーは良い。
完全にヴィヴィアン・ウェストウッドなのにピストルズが一曲もかからないところなど、音楽使いが良いが故に選曲が気になったりもしたが、最終的にとても良い映画だった。
ヴィランの夜明け的な映画におけるヒロイックになりすぎ問題は依然として解決していないが、これはエステラ/クルエラの青春映画としてかなり良くできていたと思う。
まあここまで気になる点ばかり挙げているのは面白かったからであり、面白いが故に気になる点ばかりの話になってしまうこと、往々にしてあるよね!ごみ収集車から出てくるクルエラめちゃくちゃカッコ良かったし、グラムだったよ!ちなみに私はこの映画を機にディズニープラスに加入しました。
ハイ面白い!ハイ面白い!こんなんこの世で一番面白いやつですよ!
ストーリーなんてない!なんかやばい奴らが来てて人間界がやばい!のでやばい痣を持った奴らが集結!やばい奴らを倒すためにはやばい力が必要らしいのでやばい場所でやばい特訓を開始!そしたらやばい奴らがちょっと早く到着!家族がやばい!仲間がやばい!どうなる!
こんな大味なストーリーを最初から提示されたらもう映像の気持ちよさ100で観られる。感動とか考察とかいらない!バイオレンスによるエクスタシーに全振り!暴力はエンターテイメントの原点にして頂点だということを改めて思わされた。
しかしこんな感じながらもゲームファンに向けたお楽しみがてんこ盛りだ。「FLAWLESS VICTORY」とか笑ってしまったし、ちゃんとフェイタリティしていた。あと廃墟にフェイタリティコマンドが落書きされてたりした。
なんだかんだ言ってゲーム原作の映画作品として数少ない成功作なのではないだろうか……。真田広之がかっこよすぎる。かっこよすぎる真田広之を見るためだけでも価値がある。浅野忠信は目が光ってる。
・1秒先の彼女
チェン・ユーシュン最新作。これは『熱帯魚』『ラブ・ゴーゴー』の続編だ!
まず抜群のポップセンス。エビフライのTシャツなんぞや!という感じだ。しかしそのポップでかわいい世界の中に切実さを一滴落とすバランス感覚には毎作唸る。
後半のバスのシーンからはちゃんと作った(失礼)大林宣彦という感じだった。あのロケーションを撮った瞬間勝利確定だ。
なんかもう贔屓目がかなりあるのと、ただただ好きだったということもあり、正直あまり感想を書けない。とにかく観てほしい。好き嫌いはかなり分かれると思うが。
パンフで森直人も書いていたけど、チェン・ユーシュンは本当に恋と交通を描くのが上手い……。軽トラ、船、バイク、と来て、次はバスでしたよ……。
・いとみち
面白い!弘前の高校に通う訛りの強い女子高生がメイドカフェでのバイトを通して自分自身を見つめ直していく、爽やかな映画。
津軽弁が本当に強くて最初は聞き取れないくらいだが、観ていくうちにだんだん自分のリスニング能力が上がっていき、実際に弘前へ旅行したような気持ちになる。
主演の駒井蓮がすごく良い。青森出身ということで訛りはネイティブ(私は津軽弁わからないけど)。凛とした佇まいと強い眼差し、しかしへにゃっと笑って、まあとにかくかわいい。少し前にご縁があって少しだけ話したことがあったが、その時は普通に標準語で話していたので、そのギャップにびっくりした。これから絶対売れる。
ジョナゴールドもかわいかった。ああいう子好きです。
今月はなんとなく時間が合わなくて見逃したのもちらほら。
6月の色々と忙しかったものたちが無事終わり、いよいよ次の制作がはじまる。頑張るぞー。