今月観た映画

もう一年が終わってしまいました。今月劇場で観た映画の感想です。

 

・燃ゆる女の肖像

望まない結婚を控える女性と、その女性の肖像画を描くことになった画家の女性の小さくて大きなラブストーリー。

まずロケーションが最高。その美しいロケーションを一歩引いて俯瞰するようなフィックスの画。無駄なものは一切排除した演出。とても静かでうっかり眠りそうになるかと思いきや、その中で繰り広げられる想いとまなざしの応酬に目が離せなくなる。

しかしこれはただのラブストーリーで終わるのではなく、創作する=「残す」という行為の尊さをとても繊細に描いている。自分の記憶や想いを残したいから創作する、その創作物が誰かの記憶に残る、誰かの想いを強くさせる、創作の喜びってこれだ!と思った。

しかし創作の大体(ましてやお金が発生するもの)は終わらせるために始めるのであって、いつかは終わってしまうという切なさが常に画面いっぱいに漂っている。しかし終わったとて、その間に生まれた想いが無くなるわけではないのだ!創作最高!想い最高!

 

・私をくいとめて

綿谷りさ原作、のん主演の作品。のんってやっぱりキュートね……。

虚実入り混じるような映像と突飛な効果音演出、それを思い切り地名を出して展開させるのはどこか相対性理論を感じたり。飛行機も出てきたし。効果音には『ブルーアワーにぶっ飛ばす』を思い出したりもした。あまり好きな演出じゃないけど。

言葉のひとつひとつや付き合い始めの相手との距離の測り方とか、わりと心当たりがある部分もあって観ている間かなり苦しかった。

ただやっぱりその落とし方になるか〜、という感じ。そこに落ち着くのであったら『もう終わりにしよう。』の方がしっくり来た。

なんか好きな感じなのに「あと一歩ほしい!」という気持ちが最後まで拭えなかった。面白かったんだけどね!『魔女の宅急便』と『もう終わりに〜』のマッシュアップから先には行けていない感じ。観たあとすぐにこの感想を書いているので、帰ってパンフを読んで原作も読んだら感想がひっくり返ってるかもしれないけど、今のところはこんな感じで〜す。

(追記) 感想は特に変わりませんでした。

 

今月は師も走るだけあってとても忙しく、あまり映画を観られなかった。年明けのほうがさらに忙しくなりそうですが……。あとは『佐々木、イン、マイマイン』をもう一度観たりした。

毎日寒くてまいってしまう。限界を迎える前に暖かい服を買った。すこし高かったけど、暖かいので良し。精神のひび割れは冷えから来る。

今年はコツコツ映画の感想を書くことができた。こんなに続けられたのは珍しいかもしれない。良いとか悪いとか思ったものをちゃんと言語化するのは自分の思考を整理できてわりと好きだ。

映画に順位なんてつけるものではないとはわかっているが、今年のベストも次の記事で紹介するので是非。