今月観た映画

今月劇場で観た映画の感想です。

 

・ジョン・F・ドノヴァンの死と生

大好きなグザヴィエ・ドラン監督の最新作。だけどすごく「ドランっぽい」のに「ドランっぽくない」映画だった。話自体は面白くて大好きだけど、私が期待値を上げすぎたのだろうか。それとも英語だからなのか……?

逆に言えば初めて観るドラン作品にはもってこいだと思う。いつもの母子モノだし、相変わらず選曲センスは抜群だし、映像もケレン味たっぷりだけどリアルを感じるし、とっても観やすくなっていると感じた。

ルパートが急いで帰ってきて「ヘルサム学園」を観て大興奮するシーンが『Mommy/マミー』のWonderwallのシーンっぽくて良かった。すこし泣いた。『Mommy/マミー』大好きなので皆さん観てください。

 

・弥生、三月 -君を愛した30年-

観やすさ、理解のしやすさ、テンポの良さ、演技の癖の無さはピカイチ。よってなんにも引っかからない流動食みたいな映画に仕上がっていた。

ふわりと始まって、分かりやすいキャラクターの説明、タイトルもパッと出て、ラストまでスイスイ入っていって、エンドロール後に「どうした!!」となった。全ては逆らえない運命の下に動かされていただけなのだろうか……?そんな『ヘレディタリー』みたいな……。そういえば重低音を鳴らして重い空気を表現していたな……。

最初から流動食を求めて観ていた節があった(失礼)ので、エンドロール後に突然お餅を突っ込まれた感じでした。

後ろの女子高生2人組が楽しそうだったので良かった。杉咲花がすぐ死んだ。

 

・コロンバス

フィックス、長回しモダニズム建築、劇伴Hammock、これ以上何がいる?

全てのカットの構図がバチバチにキマっていてずっと楽しめた。フィックス断固支持者にはたまらないものがある。「好きなものの説明をしてほしいのではなくて、何故あなたがこれを好きなのかを知りたい。」そして何故好きかを語り出すシーンがたまらなく美しくてちょっとだけ泣いた。

『わたしは光をにぎっている』『足跡はかき消して』に並ぶ、背景に語らせる映画。私はこういうのが好きなんだな。やっとわかりました。永遠に観ていられる。円盤買ってずっと流していたいなぁ。オープニングやパンフ、作品全体のアートワークもとても素敵で綺麗だった。

それにしても監督、コゴナダって小津好きすぎか!好きだぞそういうの!

 

 

そもそも3月は観たいものが少なかったけど、新型コロナウイルスの影響で延期になった映画が多すぎたし、やっぱりなんとなく怖かったりして、全然観られなかった。『シャドウプレイ』の延期が悲しい。フィルメックスで観ておくべきだったなぁ。あと『スピリッツ・オブ・ジ・エア』を観逃した。

そのかわり(そのかわり?)DVDを買っただけで満足していたやつや録画しただけで満足していたやつを観たりした。『ラブ ゴーゴー』、何度観ても最高だね。

あとは友達にずっと激推しされていた白石晃士監督作品をバキバキ観ている。

家で映画をだらだらと観ていると、やっぱり劇場で観たいなぁ、と思う。でも劇場も閉まっちゃったりしてるもんなぁ。はやくいろいろ終わるといいね。